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容疑者Xの献身のtheocatsのレビュー・感想・評価

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
2.0
ネタバレ
満足感ありも、もやもやは残る 評価4→2へ

別に福山雅治のファンではないし、全く期待せず見始めたが意外にグイッと集中させられてしまった感じ。それはパッケージ文面の「想像を超える論理的思考」とやらがどの程度のものか見逃したくなかったから。

ミステリーということもあり何が「伏線」になるかそれも気がかり。最初の洋上船火災とレールガン実験、それらへの登場人物の関連など見逃しがないようにとにかく集中。(←これが伏線となっていたか最後まで分からずじまい)
唯一「ん、これは?・・・」と気に留まったのが間違い探しクイズみたいに2回流されたホームレス群映像から一人かけていた場面。
しかし、それが伏線になっていたと分かるのは最後の最後。トリックが判明すれば「あーっ、そういうことね・・」とはなるのだが途中の「匂わせ」が全くなかったものだから種明かしが唐突な感じで何とも言えないやもやが残ってしまった。
後でウィキペディアを見たところ、原作に関して本格的ミステリーとは言いがたいという異議が同業者から出ていたとのこと。私と同じポイントでの異議違和感かまでは分からないが、エピソードとして何となくうなずけた。

後、勝手な個人的思惑として「最初の殺人犯が逮捕されない(←つまりはトリック成立)」という選択もあるのではないか?いやそうあってほしい!という希望が芽生えたが(似たような状況でそのような結末の洋画があったので)、そうはならず「トリック発案・実行者である天才数学者」のように真実落胆してしまったのはそれだけ感情移入していたという証なのだろう。(恋愛感情ではなく母子親子への全くの同情)
福山雅治がえらくスマートでかっこよかったのも素直に認めざるを得ない。少し嫉妬(笑

「想像を超える論理的思考」と言いうるかは微妙だし、上のようにもやもやも残ってしまったが、見て損はなかったというのが偽らざる感想。


追記:他のもやもや感として

・「第二の殺人理由は被害者にしたらこれほど酷い話はない」

・「殺害された者同士の血液型の食い違いが生じる可能性があったのでは?(←第一の殺人犯にあらかじめ確認を取って、適合するホームレスを探すという手はあるが・・・)」

・「最初の遺体を都会ど真ん中、ホームレス多数のあの川に目撃されずに一人で捨てに行くのはほぼ不可能だったのでは?」など


追記2
日が経つにつれホームレス殺害の卑劣さ凶悪さ、そしていかにフィクションとはいえ無名のままただ殺されるだけという扱いの軽さが容認できなくなりつつあるので評価4から2へ下げ。
ブルーシートの家もないような新参のホームレス。まだ社会復帰の望みもあったかもしれない彼の無念いかばかりか・・・

032001
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