まい

容疑者Xの献身のまいのネタバレレビュー・内容・結末

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

脅迫文はパソコンで書いているのに、最後の指示文は手書きなのが隣人の母娘への愛が溢れてて心にきた。心が込めてるかどうかが丸わかり。石神さんは絶対に想いを伝えないようにしてたんだろうけど、自分でも意図してないところで想いが溢れちゃったんだろうな。

「隣同士が同じ色にはなってはいけない。」が彼のスタンスだったように感じる。絶対に自分が全ての罪を被るって決めてたのに、靖子さんが刑務所に来て一緒に罰を受けますって言葉を聞いて、決心とは反対に想いが伝わった気がしてつい嬉しくなっちゃったのかな…愛が深いし、自分への評価が低すぎる…石神さんもいい父親になれたよ。家族になれたよ。

唯一の疑問点は、新しく用意した身代わりも富樫と同じコタツのコードで殺す必要はあったのかなってこと。靖子さんが捜査線上に上がるのは必然で、反社の人たちから殺された可能性も上がってた。もし、コタツのコード以外で殺して完璧に犯人を分からなくしたとしたら、反社の線を追われてもその人たちは殺してないから証拠がなく事件は解決しないし、靖子さんも確実にアリバイがあるから犯人にはならない。とすると事件は犯人が逮捕できずに未解決となるけど、そうなれば花岡一家は一生警察に怯えて暮らさないといけなくなる。石神さんは花岡母娘には幸せに生きて欲しかったから、この状況を防ぐために、自分が犯人になって捕まって早めに事件を終わらせる道を選んだのかな。こう考えると自分が自首した時の証拠になるからコタツのコードを保管しておいた理由も分かるし、これは花岡家のコードは別のに変わってることから靖子さんが犯人じゃない証拠の一つにもなる。しかも、もし見つかった遺体がコタツのコードじゃなく例えば包丁とかで殺されてたら、靖子さんは石神さんが隠蔽のために別の人を殺したんだって気づいて心を痛めて自首しちゃうかもしれないし、石神さん自身が想いを寄せている人から殺人犯だって思われちゃうよね。それが嫌だったのかな。そもそもこの作戦は当初から自分は殺人犯として捕まる前提かつ靖子さんへの負担が最小限になるように全部考えられていることになる…よね?
ちょっと考えが深すぎるし、愛も深すぎる。
愛してたのに愛を理解できなかったんだね…
まい

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