しろくま

容疑者Xの献身のしろくまのレビュー・感想・評価

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
3.9
《2日の夜はどちらに?》
〝映画に行きました。仕事が終わって娘と待ち合わせをして。映画の後は、二人でラーメンを食べて、カラオケボックスに〟〝できすぎだな。平日の夜にだぞ。それに美人だった〟〝はい?〟

次の日も仕事や学校があるっていうのに、その前日に娘を誘って映画を観てラーメン食べてカラオケに行くって考えにくいね。これってどう考えてもアリバイを偽装してるっぽいけど、実際にその日に知り合いに会っているのが分かって…。

同じ人物が同時に別の場所に姿を現すドッペルゲンガー現象の謎を、お得意の物理の数式を書いて、お決まりのポーズで解明するのかと思ったら、なんか違う。ドラマのような〝実に面白い〟スカッとする勧善懲悪な展開を期待していたら、悲壮感漂う重苦しい話だし、ツッコミどころ満載だし…。

2日の夜に亡くなったってことで捜査をしているけど、あの日って本当に2日の夜だったの?検視によって得られた死亡推定時刻が間違っていたとしたら、死亡推定時刻をずらすために遺体に手を加えたとしたら…。そのことが気になって、まだ映画の途中だけど巻き戻して再生したら、しっかり日付が分かるシーンがあって…。なるほど、そういうことか。映画館で観ていたら気付かなかったけど、DVDとか録画視聴で〝ミッケ〟をするのは良し悪しだね。

松雪さんがDV夫から身を隠そうとしているけど、ちゃんと気をつけていたら元の職場から足がつくようなことしないだろうし、店名に娘の名前を使わないだろうし…。堤さんも、なんであんな割の合わな面倒なことしちゃうのかなあ。天才は論理的かもしれないけど、合理的じゃないよね。

自分も同じところまで落ちてしまいたいっていう気持ちは分からないではないけど、そこまでしなくても済む話なのに何で自己犠牲モードを発動するのかなあ。〝私のためにそこまでしてくれた人〟って思わせたかったのかもしれないけど、なんかすっきりしないね。大人の世界では、そんな愛の姿を〝献身〟って言うってことね。

視聴メモ:2024.04.03/038/図書館DVD
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