一方的な献身は確かに愛の形ではあるが....それは幸せとは言えるのか。
本当に容疑者Xの献身です。
論理的思考により事象の生じた原因を突きとめ、不可解現象を解明していく物理学教授の湯川と、女性刑事柴咲コウ(役名忘れた笑)のガリレオシリーズ初の映画化。
良い作品でした。やっぱり東野圭吾は切ない話多いんですね。人と人の思い、情が絡むことによって起きる殺人。それは真実を解明するだけでは終わらない。天才数学者の石神が作り出した犯罪は確かにひとつの愛の具現であった。
でもちょっと極端かな。
まあそれほど石神が人と接していなくて、彼の前に急に表れたあの女性の存在がでかかったってことなんだけど。
これタイトルで容疑者Xとされていて、Xって何者でもないなにかとか、ありうるなにかとかを指し示すために慣用的に使うと思うけど、じゃあこの容疑者X。
それは特定の特別な者なんじゃなくて、きっと誰でも成れ得るから、X。
確かに「謎」って意味はあるけど、「誰でも成れ得る誰か」そんなニュアンスをタイトルから感じました。
この愛、特殊だなあ。でもこういう歪な思い嫌いじゃないなあ。
この作品は好きだなあ。