市川崑と吉永小百合による
「鶴の恩返し」
お話自体は本当に昔話のまんまです笑
罠にかかった鶴を助け、その鶴が人間へと姿を変えて恩を返す話。
他者を思いやる心の尊さを描きつつ、翻ってタブーを侵し、いかに「覗く必然性」を作り出してしまったのか、
そして「それそのもの」をどう描いたのかが見どころ。
助けた人間がじいさんばあさんではなく、
独身男で、話も異種婚姻譚として描かれています。
ある意味わかり切った話ですが、
「絶対に覗いてはいけない」
と言われる、夜な夜な籠る妻の秘密の部屋。
映画セオリーからすれば、
覗けと言われているようなものですね笑
みんな知っている展開。
この超難関ハードル。
現在の「ラストの見せ方」に至るまでに何パターンも想定していたそうですし、実際に撮ったものを何度もリテイクしたそうです。
頭の中で練り続け、何十周巡ってこの「表現」にしたのか。
その境地を導き出した市川崑演出の「結論」に納得できるか否か。
そんなところがスリリングポイントでした笑
個人的には本当の勝負ポイントは、「覗く必然性の方。」だとおもいました。。
市川崑演出は「大胆にやっちまってるところ」もまた特徴だとおもっています笑
そのあたりに寛容さがあれば、一度は本作を覗いてみてもいいかもしれません。