Violette

父親たちの星条旗のVioletteのネタバレレビュー・内容・結末

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

2作あって1作品。

日本だと「硫黄島〜」に思い入れそちらばかり観るのもわからないではないが、戦いは日本軍から見えたものだけではないことも知った上で観るべきと思っている。

劇場で観てその後2度ほど観た。往来する構成や焦点の当て方が硫黄島陥落後であること、アメリカ自身の抱える問題にもフォーカスされていることなど、要素が多くてウケにくいのかもしれない。でもあの摺鉢山の写真は事あるごとにいまでも何かと揶揄されることもあり、それでありながら太平洋戦争の勝利の象徴として像が君臨している。
そして連れ回された3人もその後の生活を保証されたわけでもなくお飾りのように打ち捨てられてしまった。

最後にある「国のために戦ったのかもしれないが、その場では自分の仲間やそこにいた男たちのために戦っていた。」というナレーションは戦場に行った少なくともアメリカ人には共通だっただろう。
捕虜になってはならぬと自決したり、補給がなく軍が兵士を使い捨て餓死させた日本軍とはマインドは違うだろう。そこにあってどこまで「仲間」と思たか?ある意味では自決の圧力を与え合った者たちでありそれを強いた上官であった。

米軍は戦死者の遺体を可能な限り祖国に連れ帰る。
日本兵はアジア中で骨となり埋葬されることもない。硫黄島にも数千人の遺体が放置されている。
勝てるわけのない戦争、さっさと諦めるべきだった戦争。
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