ブタブタ

わさおのブタブタのレビュー・感想・評価

わさお(2010年製作の映画)
1.0
あの犬は『志村動物園』でスターになった犬らしい位の知識しかなし。
あの手の動物虐待スレスレの「スター動物」がそもそも大嫌いだ。
昨今ではYouTubeで無数の犬猫達が稼ぎをあてに虐待スレスレの目に合ってるし最近では猫のもちまるとやらが炎上してるらしいが。

井上雄彦『リアル』で下半身麻痺となったプロレスラーが再びリングに上がるエピソードがある。
そこで「一流のプロレスラーはホウキとでも試合が出来る」とのセリフがある。
この映画『わさお』は正にそれ。
薬師丸ひろ子、笹野高史、尾美としのり、佐野史郎と言った一流俳優陣はわさおという「ホウキ」を相手に映画を成立させている。
『伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう』でのみうらじゅん氏セレクトの錚々たる作品群の最初を飾ったのは『わさお』であった。
子役がダメな映画はダメの法則通り本作はダメである。
(あの子『仁JIN』に出てたあの子役で演技は達者だと思ったのに仁以前はこんなにダメだったのかと思うがコレは作品のせいだろう)
青森のどっかの街の協賛でスポンサーのロケ地観光誘致目的の広告代理店映画なので「トライアスロンとねぶた祭り」がこれでもかと全面に出されてストーリーに無理というより破綻をきたしている。

トライアスロンレース中に何故かクルマが突っ込んでくる。
わさおを助ける為に轢かれる子供の母親。
この時点でゲンナリする。
伊集院氏も指摘してたけど宣伝目的の「トライアスロン」を傷つけるわけに行かないから母親を自転車で轢かせるわけに行かずレース中の道路にクルマが突っ込んで来るという不自然極まる事が起きる。
人を轢いたクルマから運転者は出て来ない。
クルマはあくまでも人を轢く「アイテム」であり子役も動物も泣かせの為の「アイテム」でしかないから実にいい加減で適当な描写しかない。

山に入る子供(理由不明)と追うわさお。
そして熊と戦うわさお。
空だけ映して画面外でワンワン言ってるだけの前衛的・実験的演出。
この時点では未だわさおの事は皆知らないはずなのに何故か同時進行で行われてるねぶた祭りに「わさおねぶた」が堂々と登場する。
それも可成の時間をかけて。
折角作ったわさおねぶたをちゃんと映せとの圧力があった事は想像にかたくない。
其れを見て山から子供連れて帰ってきた薬師丸ひろ子がほっこりした様な笑顔でわさおねぶたを見つめるシーンは理解不能。
薬師丸ひろ子さんはどんな感情で演技してたのか。
みうらじゅんプレゼンズの作品群『ルパン三世(実写版)』『ラストラブ』はまだ愛すべき駄作感があるけど『わさお』はいただけない。
まだ『おかえり、はやぶさ』が残ってるけど見なくていいか。
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