現代の都会が抱える問題が事件化したような一家殺人事件が起き、その謎を周囲の人の証言によって解いていく話。カメラがインタビュアーとなり、証言者がカメラ目線で語る手法。インタビュアーの種明かしからメタ的な作りを暴露するシーンもあり、監督の遊び心も感じられる。160分あるけど謎解きしながらなので全然長く感じなかった。
原作が宮部みゆき、監督大林宣彦って想像できなかったけど、現代の闇、例えばご近所付き合いの希薄さ、家族の崩壊など、物悲しくも奇妙な人間関係が引き起こした事件の不気味さを、大林監督らしい現実離れした空の色やおかしな演出によってしっかり映像化されてた。やっぱり処女作にはやりたいことの全てが詰まっていて、大林監督の『HOUSE』っぽさあるな〜と思いながら観てた。
話と演出もすごいけど、ちょい役ゲストに永六輔や立川談志も出てきて無駄に豪華でおもしろかった！今作がデビューだった初々しい多部ちゃんも見られる！出演者たちが歌っているっぽいED曲もヤバい。
