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キッドナップ・ブルースのLODGEのレビュー・感想・評価

キッドナップ・ブルース(1982年製作の映画)
5.0
ATG作品。
タモリ主演作品で実際に"森田一義"として出演。キャストが豪華。
所さんがハーレー?に乗ってるシーンが微笑ましい。笑

独り身の森田一義が近所に住む少女を誘拐する。そこから不思議な2人旅が始まる。

語弊を恐れずに言うと、設定では「子供を誘拐した」と言う設定だが、全くそうは見えない。子供も全く誘拐されている感が無い。いや、むしろ誘拐されたがっている?

現に母親(桃井かおり?)にテレフォンショッキングするが誰と一緒なのか言わないし直ぐに切る。
タモリがお弁当も持たせて電車に乗せて見送ったのに、またタモリの元に舞い戻ってくる。そもそもお弁当を持たせる時点で悪意ある誘拐犯とはどうも思えない。森田を心底憎めないのだ。いつも1人でいる少女を不憫に思い善意で旅に連れて行ったのでは無いか?実は本当の父親なのでは無いか?

いや、勝手に連れて行っているので立派な誘拐犯なんですが、、、笑
そんな風に思わせる哀愁感や硬派な雰囲気が感じられた。

所々、いやほぼ90分に渡って謎のカットやシーン。でも映像が美しい。海辺のシーンなんて最高です。
各地で出会う変な人達との会話もアドリブなのかセリフなのか?
これは演技なのか、台本無しのインタビューなのか?時折感じるドキュメンタリー感がまたこの映画に輪をかけて不思議な雰囲気に。ウィットに富んだ会話劇も見どころ。

説明や匂わせるカットが無いのでこうやって色々と考える余地があってとても好きな映画だと言う事は自信を持って言えます。
音楽もボサノバ的でめちゃくちゃカッコ良い。サントラあるのかな?

エンディングの1分強くらい真っ白なのも斬新!携帯がぶっ壊れたのかと思いました。
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