仮面ライダー初期の怪奇性をJホラーだと解釈するまた前作以上に謎コンセプト。これがまた全てを悉く台無しにする。大人向けとは言いつつも子どもが見る余地を完全に排除してどうする？
前作から2年、ヒビ割れ変色したマスクは2人の激闘の跡を思わせる……のは、あくまでデザインの妙味でしかなくこのダブルライダーが積極的にショッカーと闘っていたとは思えない。やや敗走気味。死期を悟り自暴自棄に飲み歩く一文字は兎も角、なんで本郷は襲われたら多大な巻き添えが出るであろう学校で教職なんかに就いてるのか。そこを狙ってこないショッカーも変に律儀。
Jホラー風味の根幹を成す部分のシナリオが酷い。一連の事件はあくまで偶発的な事故が発端でショッカーは関知していない。そして事の真相は芸能界の闇……って何がしたいんだこの話は。ショッカーの作戦はそれに関係なく動いている。いきなり風見志郎が裏切るのもショッカーには訳が分からんだろう。このチグハグなシナリオに翻弄されているだけの風見志郎もかなり哀れで何の魅力もない。
女性が最もなりたい顔、同業者にも憧れ多数のカリスマである森絵梨佳が顔を切り刻まれるわ、ミイラ状態にされるわ、配電盤で焼き討ちされるわ、果てはグチャドロの化け物姿にされるやら、これ何の恨みがあっての仕打ち？
レイティングが上がったからか暴力味が増して大掛かりなスタントも取り入れたアクションはまぁ上々なんだけども最早それだけで挽回できるもんじゃない。
ラストのラストまでJホラーの常道に乗っかる胸糞の悪さ。そこにメタ的なネタを被せるのも意味不明すぎる。前作でしっかりハードルを下げたのにそれを越えてこないって……。
