ほーりー

貸間ありのほーりーのレビュー・感想・評価

貸間あり(1959年製作の映画)
3.6
かつて新文芸座でこの映画を最初に観たとき、スクリーンで何が起こっているのかわからなかった(笑)

のちにDVDを購入して我が家で観ても、結局何だかわからなかった。

鬼才・川島雄三監督による、奇人変人ばかりのアパート住人が繰り広げるドタバタ・コメディ。

「花も嵐もふ~みこ~」……じゃなかった「花も嵐のたとえもあるぞ、サヨナラだけが人生だ」の名文句でも知られる作品。脚本には藤本義一が参加している。

『幕末太陽傳』『しとやかな獣』『喜劇とんかつ一代』も変な人たちがワチャワチャしている映画だったけど、この映画は輪をかけてワチャワチャしていて頭が追い付いていかない。

丘の上から思いっきり放尿する桂小金治の後ろ姿でエンディングというクレイジーぶり💦

フランキー堺演じる主人公・与田五郎は『幕末太陽傳』の佐平次同様、ありとあらゆることに堪能でちょっとニヒリストという役柄なのだが、今回の場合は周りが変な人すぎて、フランキーが終始振り回されっぱなしなのが可笑しい。

唯一、淡島千景だけがチェイサーみたいな存在で、他、乙羽信子、浪花千栄子、山茶花究、藤木悠、清川虹子、渡辺篤、市原悦子、沢村いき雄、そして小沢昭一扮する気味悪い学生(実はフランキーと加藤武とは麻布中で同級生!)と変なキャラクターが勢揃い。

だが、本当に意味がわからないのは益田喜頓である(笑) 何故あそこで突然バナナを食うのか……いまだにシュールすぎる。しかも一緒に食うな!浪花千栄子!

そして大家の愛猫ミーちゃんにふりかかる突然の災厄も凄まじい。

凄い、凄い作品なのだが観てて疲れてしまったのでこの評価。ご勘弁を😭

■映画 DATA==========================
監督:川島雄三
脚本:川島雄三/藤本義一
製作:滝村和男
音楽:真鍋理一郎
撮影:岡崎宏三
公開:1959年6月2日(日)
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