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マンマ・ミーア!のNMのレビュー・感想・評価

マンマ・ミーア!(2008年製作の映画)
3.5
母ドナと二人暮らしの娘ソフィは明日結婚式。
母の日記を見つけ、父親の可能性が高い20年前の恋人たち3人に、こっそり母の名前で手紙を出し結婚式に招待。
3人とも良い人でとにかくはるばる来てくれた。
だが実は母ドナ自身も誰が本当の父かは分からない。3人ともと酷い別れ方をし、妊娠のことは黙ったまま一人で育てることにし、ここギリシャの島でホテル経営を始めたようだ。
式の前日をみなで過ごすうち、男性3人とも「自分が父親だ」と思い至る……。

ひたすらロマンティックな恋愛物語だと思い込んでいたので全然違って驚き。娘ソフィはもう結婚が決まっているのでこれからのロマンスはなさそう。
では何を描くのか興味をひかれた。他の人のロマンスが産まれるのか、そしてヒロインの父親捜しはどうなるのか。
父捜しといっても悲しい雰囲気は微塵もなくずっと思っていた人に会えるかもという希望でソフィは満ち溢れている。

女性たちは皆あけすけに本音を語り歌う。コメディチックに。みんな似たようなノリの女性たち。
少し古い作品ではあるが色彩が鮮やかでずっとお祭り騒ぎの雰囲気。

次々とABBAの名曲を歌い踊り、特に前半はとにかく明るくて元気、強制的にこちらも浮かれてくる。

それは前半までで、後半になると少しずつ母娘の隠している思いが見え隠れする。
二人はとても幸せではあったものの、ソフィは心に何か欠けるものを感じ、ドナは自責の念を抱えていた。
その分後半の方が歌の力を増し、ダンスはシンプルで若干控えめになり、思わず歌に聴き入ってしまう。
ソフィは母を島に一人残すのが心配でホテルを継ぐつもりだったし、婚約者スカイも夢を諦めソフィの人生に寄り添う覚悟をした。

このまま歌い踊って終わるのかと思いきや意外なラスト。ちゃんとした映画だった。
はじめはいかにも無謀な計画で悲劇が起きそうな予感がするものの、逆にパズルが上手くはまってそうはならないのが良くできている。

観終わったらサントラを聴かずにはいられない。
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