シネマヴェーラ渋谷のチラシの惹句。/清順名での監督第一作。水島がボス(芦田伸介)の目を盗んで隠したダイヤ、それを飲み込んで墜落死する安部徹。地下水道、死体、マネキンと移動し続けるダイヤが現れるたび暴力が爆発し、クライマックスの15分間にも及ぶ凄まじい銃撃戦につながっていく。安部の妹・白木マリの極端なキャラも凄い!/公開時のポスターの惹句。/豊満な乳房の谷間に秘められた謎のダイヤをめぐる、男対男の死闘。白木マリの妖肢が躍動する超娯楽活劇篇。/
掘っ立て小屋の如き西武新宿駅が遠景に映る、暗黒街とは歌舞伎町のことだろうか。銀座周辺も映っていたような。でもショボい。
ダイヤモンドを巡るサスペンスにはキレがない。時折明らかに端折っていると思われるシーンがあるのだが、これは観客を信頼しているというわけではあるまい。ただ尺を短くするためのものだと思う。ちっ、と舌打ちするしかない。それとも、未完の清純タッチとでも強弁すればよいのだろうか。
水島とは、水島道太郎のこと。美女って、女性は白木マリしか出ていないから彼女のことか。高品格が芦田伸介の子分を演じていているのだがやり過ぎではなかろうかというくらい鬱陶しい。二谷英明が刑事役なのだが人々を善道に導く宗教家にしか見えぬ。
/豊満な乳房の谷間に秘められた/っていうのは、マネキンの乳房のことです。
ラスト。ダイヤモンドはトルコ風呂のボイラーで二酸化炭素となって昇天するのです。ふふふ。
1958年製作公開。原作脚色佐治乾。監督鈴木清順。
シネマヴェーラ渋谷 鈴木清順生誕100年 映画を駆け抜ける にて