シンタロー

料理長(シェフ)殿、ご用心のシンタローのレビュー・感想・評価

3.4
グルメ雑誌を主宰するマックスは、その道の御意見番で美食家として知られていたが、大変な肥満のため、主治医からダイエットしなければ余命半年と宣告されていた。マックス主催の王室晩餐会のため、アメリカから渡英した一流パティシエのナターシャだったが、空港で拉致されてしまう。犯人は元夫ロビー。新しく出店するオムレツ屋にスカウトして、あわよくばよりを戻したい魂胆だった。誘いを固辞したナターシャは、バッキンガム宮殿に到着し、見事に晩餐会を成功させる。そこで最高の鳩料理を作るシェフのルイと出逢い、2人は一夜を共にするのだが…。
世界の一流シェフ達が、ロンドン、ヴェネチア、パリとヨーロッパ各地で、各々が得意とする調理法で、次々と殺されていくという異色のグルメブラックコメディ。これは日曜洋画劇場?で祖父母と観たのが初見だったと記憶しています。登場する料理はフレンチの巨匠ポール・ボキューズが手掛けていて、グルメものとしてなかなか楽しめる。ただ、犯人は誰か?というサスペンスとしてはあまりにもゆるい。ロケーションは素敵なので、演出次第ではもうちょいオシャレになりそうなのに、垢抜けしない感じが少し残念です。
ヒロインのナターシャには70年代を代表する人気女優ジャクリーン・ビセット。透け乳首が大変話題になった「ザ・ディープ」の翌年の作品で、魅力的に撮ってもらえてると思います。コメディのジャンルは珍しいと思うのですが、あまりセンスは感じないかな。硬質で演技もワンパターンです。元夫ロビー役のジョージ・シーガルも、この人が演じる必要性があまり感じられなくて、ビセットとの相性もイマイチ。それより脇を支えるロバート・モーレイ、ジャン=ピエール・カッセル、ジャン・ロシュフォールのコミカルなお芝居が出色。今見るとなかなかの豪華キャストです。
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