8Niagara8

晩菊の8Niagara8のレビュー・感想・評価

晩菊(1954年製作の映画)
4.4
哀愁というか、もの寂しい感情を全面に出しながら、どこかネガティヴになり過ぎない感じ、成瀬作品らしさを感じもする。
昔の男が現れてからの顛末は面白いし、それぞれの過去をありありと見せるような今の描き方が見事である。

金、男、子供に情を抱きある種それらに依存しながら、愛憎半ばする。
女の意地悪さ、人間の下衆さを描きつつ、はたまた女は現実を生き抜く術、力を持ち合わせてもいる。
シニシズム的な視点を持ちながらも、そこには人生への大らかさも見てとれる。
8Niagara8

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