Paleniche

アマデウス ディレクターズ・カットのPalenicheのレビュー・感想・評価

3.8
中学生くらいの時に一度観て衝撃を受けたけれど、詳しいことは忘れてしまっていた。なんとなく、モーツァルトの天才ぶりに嫉妬する周囲の人々とそのいじめ、くらいの記憶だった。が、今回これを見ると、サリエリという人の人間らしさが際立ち、むしろ彼に目が行ってしまう。

サリエリは、モーツァルトを誰よりも尊敬し、認め、彼の作品を愛した人だと思うが、同時に自分への期待も捨てきれず、モーツァルトに対する愛情が負の方向に進んでしまったことが悲しい。同時に、それは神に対する諦めであり裏切りであると捉えるあたりが真面目すぎて、彼が苦しんだ残りの人生も悲しい。

できることなら天賦の才があればいいとは誰もが考えることだと思うが、やはり他人との比較を始めると苦しいからやめておくに限るな。天賦の才を見つけたら、ありがたいと思いながらうっとりと鑑賞しておこう。

しかし、この時代の宮廷の人々は、どうしてあんな無駄なかつらをつけているのだろう。しかもわざわざ白髪で巻き巻きにする意味って?侍がなんであの髪型なのかと聞かれるのと同じなのかもしれないが、なんとも不衛生で毎日面倒くさそうだなーと思ってしまった。
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