だ

アマデウス ディレクターズ・カットのだのレビュー・感想・評価

4.1
サリエリは凡庸な人間だったのか、片田舎で音楽の家系に生まれたわけでもなく宮廷作曲家にまでなった彼は努力の人間であり、努力だけでは補えない才能を持っていたと思われる。しかし神を信じ、祈り続け真面目に生きるサリエリの前に、努力では超えることの出来ない生まれながらの天才、モーツァルトが現れる。
モーツァルトに嫉妬し、憎むと同時に彼の作曲の素晴らしさに素直に羨望し、愛するのだ。愛憎と言う言葉があるように愛ゆえに憎い、憎いが愛してしまうこの表裏一体のようなものを拗らせ、モーツァルトというより、どうしたとしても超えることの出来ない人間を生み出した神をも恨み、復讐心を燃やすようになる様は、もうあんなに憧れていた音楽に執われ逆にサリエリ自身を苦しめる存在となっていく。それでもモーツァルトのオペラを本当に愛して期待していたのはサリエリだろう。1番のアンチでもありファンじゃん。
モーツァルトという存在を見れば、後世に名を残していない時点でサリエリは凡庸な人間と言えるのかな。しかし、作曲の才はモーツァルトにあったとしても、生活はサリエリの方が裕福な暮らしをしていたことが見てとれる。まぁサリエリの所為ではあるが、ウィーンから去ればある程度の生活は出来たことだろう。それでもウィーンにい続けたのはやはりみんなが自分の才能に目をつけると信じたからだろう。でも彼には音楽の才能しか無かったのかもなぁ。人を惹きつける能力はなかった、だから最期もあんなにも呆気なかったのかもな。
だ