2018年、一発目!
年始になると無性に触れたくなるのがモーツァルト!
数年前の正月も家族でオペラ『フィガロの結婚』を観に行ったり、その翌年は『魔笛』と、
モーツァルトの創造物は魂を奮い立たせ、年始めに相応しい浄化効果を勝手に信じている節があります。
そんなモーツァルトの半生を宿敵の宮廷音楽家サリエリの視点で綴った映画化作品『アマデウス』
音楽の神童であり、異端児であり、そして不世出の天才であったモーツァルトに対し、
彼への羨望と強烈な嫉妬によって自身の凡庸な才能に終始対峙させられていたサリエリの苦悩。
18世紀の絢爛豪華な調度品とモーツァルト珠玉の名曲に彩られながら、神の寵愛を受けたモーツァルトの才能が次第にサリエリを支配してゆく様を重厚に描き上げます。
VHSからDVDへと移行し始めた時期に私の親父が真っ先に買い直していた作品のひとつでもあり、
クラシック音楽に疎かった私は本作でモーツァルトの人物像やらサリエリの存在を知ったうちの一人。
20分の追加映像が施されたディレクターズカット版は今回が初でしたが、3時間ながらもやはりテンポの取り方は大変素晴らしいです。
またサリエリの愛憎を主軸にモーツァルトの天才性をより際立たせた脚本もこれまた天才的な采配。
甘美な旋律と眼福の映像、そしてサスペンスタッチでモーツァルトの死に迫った音楽史劇の歴史的名作であります。