公開後にビデオかテレビで観た。なんとなく、クラシックが題材の映画だと思って観始めたら、一気に引き込まれたのを覚えている。当時はモーツァルトが主役の映画だと思って観ていたが、改めて見ると完全にサリエリの映画。凡人と天才と描かれているが、秀才と天才なのだろう。努力で手に入れられるものは多く、また努力することでしか手に入らないものも多いが、天才はそんなものは関係なく凄いものを出してくる。またそれを正しく理解できるのも、その域に達した秀才しかわからないので、サリエリの苦悩たるや想像を絶するものだったのだろう。主演のFマーレイエイブラハムは、素晴らしい演技でサリエリを演じ、表情一つとっても妬みや嫉妬などが伝わってくる。一方トムハルス演じるモーツァルトも天才らしい解釈でなかなかよかった。この手のクラシックや音楽が題材の映画は、演奏のシーンで「バーン」と音がくるだけで鳥肌が立って、話関係なく一気に持ってかれる。アマデウスもオペラのシーンや、コンサートのシーンは、鳥肌が立った。
監督のミロスフォアマンが亡くなったと聞き、思わず追悼レビュー。「カッコーの巣の上で」など名作を撮れる監督だったので、残念です。