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丹下左膳 乾雲の巻のdudismのレビュー・感想・評価

丹下左膳 乾雲の巻(1956年製作の映画)
3.6
原作物のため、自ずと評価の軸は監督の演出力、役者の地力に拠るところが大きくなるわけだが、その点はさすがマキノ。
裏切らない印象的なショットが最後まで魅せる。
それでもやはり着目すべきはマキノの大きな個性であるモブシーンなのだが、なんといっても最終盤の立ち回り。
見事に奥行きと高低を活かした画角で画面に躍動感が与えられ、演者にあえてズームをしない俯瞰性がより緊迫感をつくり出す。
とりわけラストシーンでは、画面の両端に対称の塀を配置し、残された画面の道、人、月夜のバランスが美しく、モノクロ活写かくあるべし。
正直プロットは度外視してのこの評価です。
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