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007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号のtakeachanceのレビュー・感想・評価

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現在も続いている007シリーズの記念すべき第1作目。
日本初公開時の邦題は『007は殺しの番号』だが、
後に『ドクター・ノオ』に変更された。

初代ジェームス・ボンドにキャスティングされたショーン・コネリーは、
シリーズ第1作の『007 ドクター・ノオ』(1962年)から
番外編の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(1983年)まで
計7本に出演することになる。

ロケット発射を不法電波を利用して妨害したり、
体を洗浄するだけで放射能が除去されるマシーン、
竜に似せた戦車など、スパイ映画というよりも
むしろ当時のSF映画に近い感じを抱いた。

冷酷非情なシーンが多くて驚いた。
こんなに残酷で殺伐としていたのか。
ロジャー・ムーア時代だと考えられない。

敵役であるドクターノオ役の
ジョセフ・ワインズマンの存在感が印象的だけど、
水遁の術のように水の中に隠れるシーンは明らかにB級。


それにしても、何故こんなにも007シリーズが
世界中で大ヒットを記録したのか。
英国のためだけに戦う人間が何故世界中で支持されたのか。

原作のイアン・フレミングは
第二次世界大戦中はイギリス海軍情報部のスパイとして実際に活動。
1953年からそれまでの経験を元に、小説の『007』シリーズを執筆した。

007シリーズの基本的なパターンとして、
世界中にある外国の植民地、
イギリスの植民地に出向いて、反乱を抑える。
世界平和のためにあんなことやこんなことをしながら
敵のスパイをやっつける。

冷戦時代アメリカとイギリス、
NATOなどの西側諸国、資本主義諸国と、
ソ連や中国などの共産主義国家の対立で
いつ核戦争が起こって世界が破滅するかわからないという状況のなかで、
それを瀬戸際で食い止めるスパイ、世界を救うスパイとして
非常にリアリティをもって描かれたことが要因の一つ。

企業名や商品名を映画の中で実際に利用するという、
広告映画としての「プロダクト・プレイスメント」が
採用された映画でもある。
「ティファニーで朝食を」とか、
「プラダを着た悪魔」はタイトルにまで使われている。
企業が盛んに映画をPRしたため大ヒットした、
という側面も大きいだろう。

あとはとにかく美女、美女、美女。
「セクシャル」を前面に打ち出した、というのが大きいかもしれない。
男に都合のいい展開が続く、というのが良かったのかもしれない。
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