きき

ミスティック・リバーのききのレビュー・感想・評価

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)
3.3
公開当時かなり話題になっていたのはうっすら覚えてる、クリント・イーストウッド監督作品。
友達のゴリ押しで観賞。

かつて少年時代を共に過ごした三人は、ある事件を境に、自然と距離が出来、離れ離れとなるが、25年後、悲しい事件によって引き合わされることになる。

というお話。

元犯罪者である雑貨店の店主、ジミーをショーン・ペン。
一人息子と妻と暮らす平凡な夫だが、昔のトラウマに悩むデイヴをティム・ロビンス。
警察となったショーンにケヴィン・ベーコン

この三人がストーリーの軸になるわけだけど、これだけの名優揃い、力強さが半端ないんだわ。
脇を固めるのも、ジミーの奥さんをローラ・リニーに娘をエミー・ロッサム。
デイヴの奥さんはマーシャ・ゲイ・ハーデン、ショーンの相棒にローレンス・フィッシュバーン。
それだけで派手な作品じゃないのに、ジリジリと滲み出る画力の強さ。

イーストウッド映画はそんなに観たことないのだけど、どの作品よりもやるせなく、重厚感があり、俳優陣の演技が素晴らしい作品だった。

とにかく晴れのない、重たい雲に覆われるような、そんな映画で、何か胸にズシンと載ったまま、退かすことの出来ない、そんな映画。

特に印象的だったのは、近年は悪役の多い気がするケヴィン・ベーコンの警察役、これがなかなか良い◎
それぞれの立場に立った感情の描写はなかなかに丁寧で、観客がどの立場をも考えられるような演出も良かった。

ただ、デイヴを謎めかしたいのだろうけども、もう少し子供時代の事件やトラウマとの関係性を明確にしてほしかったかなぁ。

運命の歯車が狂った子供の頃の事件から現代へ。
あまり関係がなさそうに見えて、それぞれの中に根強くこびりついている事件。

あの日、あの時、あの場所にいなければ、なんて考えても仕方のない事の連鎖で、どうしようもない不幸と不運が重なり合う、それが人生だ。
なんて、辛い教え。

記録 : 2020年231本目。
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