ヒカル

ミスティック・リバーのヒカルのレビュー・感想・評価

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)
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『ミスティック・リバー』は恐ろしい映画だった(原作小説も同様)。
単純なショック度だけ言えば、もっと強烈な描写はいくらでもあるだろう。
この映画の恐ろしさは、世界の悪意を冷徹に見据えている点である。この世界は決して優しく安全な場所でなく、我々に対する愛情など一切ない。
日常を一皮めくれば恐ろしい闇が隠れていて、それは誰にだって襲い掛かってくる。何より絶望的なのは、一度でも闇に触れてしまったら、逃れる術など無いことである。
ある日、無邪気に遊んでいた三人の少年たちの内の一人だけが選ばれ、世界の悪意に触れてしまう。彼が選ばれた理由は、ただの残酷な偶然であったという事以外に無い。
その瞬間に少年の運命は決してしまった。例え誰が何をしようと、その運命は変えられない。
世界はあなたに悪意を抱いている。条理とか理由など存在せず、それは日突然ふりかかってくる。その事を知った人間は、二度と同じ世界を生きることは出来ないのだ。
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