ろく

俗物図鑑のろくのレビュー・感想・評価

俗物図鑑(1982年製作の映画)
4.0
天上天下筒井独尊⑤(ラスト!)

最後は大人の(とんでもない)悪ふざけでこの作品を。ずっと見たかったんだけど見れて嬉しい。ただそれだけなの。

もう映画として破綻しているんだけど(下手な演技、悪い繋ぎ、クライマックスのあっけなさ)でもこの人が出ている!それだけでニヤニヤですよ。いずれも今は大先生なのにこんなふざけていたなんてねえ。

主役……平岡正明。「筒井康隆はこう読め」でおなじみ大筒井シンパの評論家。ちなみに僕も大好きです!演技はとんでもない棒&棒で見ている人は不安にしかかんじられません。シベ超の水野先生とどっちが上かしらんって思っちゃう。

南伸坊……やはり全冷中としてこの方が出ないとね。パンイチで熱演します。声は意外と太く何言っているかわからないのが玉にキズ。

四方田犬彦……せんせー、あんた何やっているんだよ!吐しゃ物を頭からかぶるという熱演(?)まで見せてくれます。もう先生の本がまともに読めないよ~。なぜか怪傑ゾロ風のアイパッチです。

大林宣彦……自殺評論家役として出るけど意外と飄々として面白い。というか大林監督はもっと俳優として出ればよかったのに、監督なんかしないで(ウソウソ)。でもこんな感じの演技する人少ないんでもったいないなぁって思ってます。

巻上公一……でたヒカシュー!大好きだよ。アルバムも持っているし。もう演技もいいけどオープニングでかかる音楽最高です。一気にあのころに戻るわー。

山本晋也……若い!もうトゥナイトの頃の監督ですよ。ほとんどビョーキはあんたのためにあるんです。役どころは覗きの評論家。山本監督らしくていいじゃないか。

手塚眞……20代での参戦。もう糞生意気な役で出演する。でも本物の手塚も生意気だよね。

末井昭……あんたまで出るのかよ。パチンコ必勝ガイド。あんたが出たらアラーキーも出してほしかったなぁ。

竹中労……黒幕として出演。話していることは当時のマスコミ批判にも通じるかしらんと勝手に思ったりして。特にマクルーハン。

山城新伍……そしてこんな自主制作レベルの映画に(実際自主制作らしいが)でてあげる山城!あんた男だよ。吐しゃ物評論家。人の吐しゃ物をぺろぺろと舐める様はあんたしかできないぜ。ブラボー!

最後はゴミのようなフリージャズだし終わりもあっけないけどこれはこれで満足。もっとお金あって梁山泊のように長尺にしたらもっと面白かったのかしらん(でも誰も観ないか)。

※というわけで筒井先生シリーズはおしまい。その他、鈴木ソクブンの「大いなる助走」や「ウィークエンドシャッフル」さらにはべたなことで「時をかける少女」「七瀬ふたたび」なんかが筒井作品の映画化。個人的には「旅のラゴス」「東海道戦争」「虚構船団」あたりが映画化したら飛びつくんだけど。映画絶対無理勢として「残像に口紅を」や「ロートレック荘事件」なんかもあるなぁ。どんな駄作でもついていきますぜ!
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