松長もんど

渚にての松長もんどのレビュー・感想・評価

渚にて(1959年製作の映画)
4.2
1964年、核戦争によって北半球の人々の大半は死滅した。
深海で潜行中だったために生き残ったアメリカ海軍の原潜スコーピオン号は、放射線汚染が比較的軽微で南半球に位置するオーストラリアのメルボルンへ逃げ込む。

終末の時が迫る世界。
終末の世界と言っても、争いが起こっているような描写は一切ない。ただひたすらに家族を想う人、好きな事をやり続ける人、自らの仕事を全うする人、様々な想いを抱えた人々達を描いた作品。
ジャケとタイトルからは想像もつかないような物語だ。

前半にごく平凡な日常シーンを映す事によって、後半にかけての畳み掛けがより生々しく感じる。またモノクロだからだろうか、誰もいない街並みがよりリアルに見えた。

ラスト辺り、非常に印象に残る素晴らしいシーンがある。ほんの数分のシーンが胸に刺さる。

”There is still time..Brothers”
(兄弟たちよ、まだ時間はある)

良い映画を観させて貰った。