このレビューはネタバレを含みます
80点
白黒だし、正直ダラッとして長ったらしいのかなと思ったけど、最後の展開があっと驚かすというか、感動的で、これまでのことが必要だったんだって一気に翻った作品。
死ぬ、とわかっていても、故郷に帰る男たち
死ぬ、とわかっていながらも、愛を育む者たち
死ぬ、とわかって、趣味だけをやり抜く男
死に方も様々。やり切って自殺する者もいれば、
その時を待つべく噛み締めながら生き延びる者たちもいれば、家族で薬を飲んでみんなであっちに向かう者たちもいる。
原発続々と北半球は覆い、
それは南半球にも到達しはじめていた。
残された時間は、あとわずか。
医者も、目を瞑るしかない状況。
自殺用の薬を、配布する看護師。
そして、行列に並ぶ民衆たち。
もう、仕方ないんだ、
地球最後の日を迎えた人類たちの死に様は
慌てる様子もなく、あえていつもの日常の様な雰囲気があった。
ラストカット、
もう家族は死んでるし、そっちに辿り着けるか分からないのに、故郷で死にたい
とアメリカ人は思う。
オーストラリアという間反対に生まれ育った彼女は、彼を見送る。
切ない瞬間だったけど、譲れないラストの送り方がそれぞれにはあるし、みんな同じ境遇下であとは時間が経てば全てが終わってしまう。
本当に寂しいというか、こんなにまで
感動的な話だとは思いもしなかった。