Kumonohate

眠狂四郎 卍斬りのKumonohateのレビュー・感想・評価

眠狂四郎 卍斬り(1969年製作の映画)
3.3
松方弘樹版の第2弾にして最終作。てか、もしかしたらこのシリーズ、雷蔵版のリブートとかではなく続編という位置づけなのかも。だとしたらシリーズ第14弾。ストーリーは結構どーでも良くて、狂四郎が色んな刺客にあの手この手で狙われ続ける話。女とナニしたままで空中浮遊したり、石段を下りながら背後からの敵を斬りまくる等、前作より一段と劇画的というかテレビ的になっている。

とにかく画面が暗い、暗い、暗い。予算の都合か知らないが、前半は殆どがナイト・シーンだし、デイ・シーンでも常に暗めのフィルターがかかっている。そして、とにかく女を抱く、抱く、抱く。敵の罠だったり、人に頼まれてだったり、お願い事の交換条件だったりと、シチュエーションは様々だが、女と見るや眉ひとつ動かさずに「据え膳は頂こう」と喰いまくる。完全むっつりスケベ状態。タイトルの「卍斬り」とは、たぶん剣法のことでは無い。

そのため、雷蔵版を多分に意識していた感のあった前作に比べると、吹っ切れているというか開き直っているというか、オリジナリティが出てきている。内容の平板さは否めないが、新たな狂四郎のキャラ造型については、もう一押しというところまで来ている。また、3年後にテレビシリーズの「眠狂四郎」で主役を張る田村正和が刺客で登場するのも一興。
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