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真珠の耳飾りの少女のNMのネタバレレビュー・内容・結末

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

名画にインスピレーションを受けて書かれた小説がもと。
少し観ただけで、これもう一回観ようと思うほど好みだった。
美術が好きなら、映画が好きなら一度観て損はない。

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オランダ、デルフト。
フェルメール家に新しくやってきた使用人グリート。
まだ若いが、タイル絵職人の父が働けなくなったため働きに出なければならなかった。

フェルメール屋敷は妻と7人の子供、姑が暮らす。それと使用人の先輩が一人と乳母も。

妻はお金のことを心配しており、そう次々とは絵を描けない画家の事情を理解しない様子。
特に姑は一家の尊厳を守るため何より仕事と収入を優先している。

パトロンのライフェンは、次は他の画家に依頼することが決まったと話す。

掃除のためフェルメールのアトリエに一番多く出入りするグリートは、優れた美術感覚をフェルメールに見出され親切にしてもらえた。
だがグリートは、夫妻が次々と子供をつくっていることに加えライフェンが前の使用人を妊娠させた件もあり、フェルメールに距離を置いて接する。
フェルメールはグリートに画材調合の手伝いもさせるようになっていく。

グリートの寝床が地下室から屋根裏部屋に。
アトリエのすぐ上で、画材の調合などはそこでしていた。
その部屋で手伝いをする時間が増えたグリートは妻や子どもたちからの心象をますます悪くする。
良からぬ噂が町中に広がった。

ライフェンは新たに家族の肖像画を依頼。
だがそのモデルの一人に、給仕するグリートも加えることを指名。
モデルになっている間は暇だから目の保養にすると。
震え上がるグリート。自分も前の使用人のようになってしまうのか。
ライフェンへのいけにえも同然。

フェルメールはグリートを何とか守ろうと画策。
とりあえずグリートを別で描くことに。
妻がそれを知ったら怒りだすので、姑とも結託し秘密裏に進めることになった。
姑はグリートのことなどなんとも思わず、とにかく仕事のため我慢するよう強いる。

妻が外出。
その間、フェルメールはグリートに針で耳にピアスを開け、姑が持ち出した妻の真珠を着けモデルをさせた。
気づいた妻はアトリエに乗り込み、ついにグリートを追い出す。誰も止められなかった。

実家に帰ったグリート。
使用人先輩があのときの真珠を届けてくれた。
包みからしてフェルメールからだろう。
かくして真珠を着けたグリート一人の肖像画が完成したのだった。

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画の色使いも陰影もとても美しいので、これだけで観る価値はある。
ストーリーは、画家とモデルが危うい距離になるが結局何も起きないというよくある話。個人的には、ですよねという展開だった。
長女が何かをしでかすかと思いきや対して何もしないのも肩透かし。
ピアスを開けるシーンが一番エロティックだったかも。
ところで針で開けたあと改めてピアスを入れる作業がとても痛そう。昔の人はみんなそうやっていたかと思うと大変だ。
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