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真珠の耳飾りの少女のhokaのレビュー・感想・評価

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)
3.4
19歳のS.ヨハンソンは無垢な少女がよく似合う。

私はどちらかというとマグリットやクリムトの様な俗な絵の方に関心があるが、フェルメールの絵が嫌いな日本人は少ないだろう。

その色彩や陰影、構図や画角やモチーフ。
ゴテゴテした装飾が少なく、空間を贅沢に使う。

画面がいちいちフェルメール絵画的で美しく、衣装や小道具、インテリア美術も見事に17世紀のそれに思える。

フェルメールの立場が義母や妻より弱く、パトロンにも生殺与奪を握られている環境下では、グリートに与えられる選択の自由は殆どない。

カタリーナ夫人を演じたE.デイヴィスの神経質で若いグリートに向ける嫉妬と怨嗟の演技は迫真だった。

昔Den Haagを訪ねた事があるのに、当時全く絵画に関心を持っていなかった事が、今更ながら口惜しい。
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