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湘南爆走族 III 10オンスの絆のmitakosamaのレビュー・感想・評価

2.9
80年代に一斉を風靡したヤンキー漫画・湘南爆走族のOVAのうち1本。なんでこの時代はボーソーゾク(笑)なんてものがあんなに持て囃されたのかねー?

今作はOVAの3巻で、しかも権田が主役の回。何故だ?何故に劇場用にピックアップしたのが脇役が活躍する回なのだ?

権田が事故で入院。退院後に高校に行くとボクシング部顧問の教員の退職を聞かされる。
実は権田はボクシング部の幽霊部員で昔はちょっと強かった。

顧問の手向けにとリングに上がるがカンタンにノされちゃう。一念発起し悪さを一時封印しボクシングに復帰。短い期間のロードワークで必死に取り組む。
権田の所属する“地獄の軍団”に喧嘩を売る“壱軸冠蝶(いちじくかんちょう)”が妨害工作を企むが、事情を知った湘爆が影ながら食い止める。

話としては珍走団よりもボクシング寄りの内容だけに結構見れる。学校だと同学年が権田に敬語を使うがボクシング部の部長だけがタメ口で話す。ボクシンングに対しては権田にも容赦ない。
ヤンキー同士だと裸の王様でも、ボクシングでは対等に話せる仲間がいるというのがイイネ。この脇役の部長がキャラ立ちしているだけで物語が凄い締まる。

顧問が生徒からとても慕われていて、権田も試合中に泣きながら戦う。汗と混じり合いながら必死で戦う姿が惹かれる。

この手のヤンキー漫画の、暴走行為や暴力行為などの悪行をを“青春が滾ったちょっとしたヤンチャ”で済ませる傾向には賛同しないが、ボクシングを扱ったこの物語は面白かった。
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