ツーラン

市川崑物語のツーランのネタバレレビュー・内容・結末

市川崑物語(2006年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

 市川崑監督の生涯を描いた岩井俊二監督のドキュメンタリ。

 写真をベースに淡々と市川崑監督の生い立ちを描いていきます。ずっと字幕が出てきて、それが客観的なものなのかと思いきや、完全に岩井俊二監督の主観の字幕なのがわかってきます。これが果たして市川崑監督の物凄さが伝わるかどうかは微妙で、いち映画ファンがこっちの気持ちも考えずにひたすら喋っているのをずっと見せられているような気持ちになりました。

 ボクが見ていて面白かったのは、犬神家の一族とかの映像で物凄いカッティングで話をする登場人物たちの映像で、その映像1つで市川崑監督の凄さがわかるもので、そういった映像とかをもっと見たかったです。市川崑論としての映画を見たかったです。「照明について語り合った」とかの字幕は出るけどその詳細が出なかったり、「ボクが脚本を書く予定だった」とか市川崑監督岩井俊二監督の企画の映画があったとか、そういう情報が果たして何の意味があるのだろうか。とか冷たい視線で見てしまいました。

 それに後半の金田一シリーズの紹介になると完全に犯人をガンガンに紹介されていくので、また見ていない人にとっては微妙な気持ちにさせてくれる字幕でした。金田一シリーズが犯人捜しをメインにしているのではないシリーズなら無問題でしょうが、少なくともミステリー物の映画の根幹の部分を壊しちゃっていないのか心配になりました。
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