イチロヲ

大陸横断超特急のイチロヲのレビュー・感想・評価

大陸横断超特急(1976年製作の映画)
4.0
長距離列車内で殺人事件を目撃した青年(ジーン・ワイルダー)が、犯行グループの標的にされてしまう。「知りすぎた男」になった青年の孤軍奮闘を描いている、サスペンス・コメディ。

巻き込まれ型の犯罪劇を軽いフットワークで描いている作品。シリアスとコメディが渾然一体となった純度100%のエンターテインメントとして完成されており、ヘンリー・マンシーニの音楽が絶大な効果を上げている。

主人公が列車から外に放り出されると、ロードムービー、バディ・ムービーへと転調していく。土地の人間たちと紆余曲折を演じながら、列車に帰還する展開があまりにも面白い。広川太一郎が声を当てている、日本語吹替版との相性もバッチリ。

また、パニック映画が隆盛していた時分のため、本作のラストにも大迫力のパニック描写が用意されている(ポスターがネタバレしている)。VFXが存在していない時代の、ダイナミックな映像世界を満喫することができる。
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