けーはち

オーシャンと十一人の仲間のけーはちのレビュー・感想・評価

オーシャンと十一人の仲間(1960年製作の映画)
3.1
後の「オーシャンズ11」の原典で、コメディ風ギャング映画。オーシャン(フランク・シナトラ)はWWⅡを共に生きた戦友11人を呼び、ラスベガスでの強盗という大胆な計画を企てる。

★ビッグ・スターを真ん中に据え、いかにもな音楽を随所に聴かせながら、まったりと進めていく、前世紀のハリウッドらしさ……後の「オーシャンズ11」と比べ、モッサリ感は否めず、ラストのドンデン返しはさておいて後半で飽きる可能性は高いかも。

★全員集合して計画全容が語られるまで前半1時間近くかかる。それまで同窓会に集まるシナトラ一家のホームビデオめいた、緊張感のない遣り取りが続く。この雰囲気は個人的に好きなんだけど、後半1時間、クライム・サスペンスが走り出してからも同じような沈滞したムードが変わらないのでちょっと気持ちが保たないな。

★それにしても、往年の名優の織り成す、オシャレで渋いホーム・コメディな雰囲気は多分に楽しめるし、ロックンロール以前のアメリカ音楽の粋が詰まったBGMは、本当に素晴らしい。使われ方もいい。そして、主役は世界屈指の有名歌手シナトラなわけだし、当然、劇中歌には期待……あれれ、最後まで唄わないんだなぁ。どういうことなの。