備忘六輔

ショック療法の備忘六輔のレビュー・感想・評価

ショック療法(1972年製作の映画)
3.8

モダンデザインの室内意匠に彩られた海辺のサナトリウム。それがまず素晴らしく、とち狂った治療法よりも、終始家具(特に椅子類)や照明へと目が行きがちでした。

ブロイヤーのワシリーチェア、ポロックのアームチェア、ピレッティのプリアチェアなどが続々と登場する中、屋外で寛ぐシーンに、新居猛のXチェアが使われている所では少々興奮。
1972年の発表で当時から国際市場に出回っていた事は知っていたものの、こんなにも早くフランス映画で用いられていたとは。

勿論、全裸の中年男女がワカメサウナに入ってから海ではしゃぐ場面も面白かったし、ブラジル音楽の劇伴も心地良く素敵でした。
ただ終盤の後味の悪さで4.0点には届かず、といった所。
備忘六輔

備忘六輔