Eのつく人

何かいいことないか子猫チャンのEのつく人のレビュー・感想・評価

4.0
名匠ウディ・アレンのデビュー作という歴史的な映画でありながら、彼の脚本はオトゥール、監督、セラーズら3人により彼の許可なしに大幅に変えられたというから、あまり期待すると肩透かしを食らうかも。とはいえ、かなり馬鹿馬鹿しいラブコメディながら、男女のややこしい面倒なもつれを描くスタイルはアレンらしいとも言える。アラビアのロレンスのイメージが絶賛ついて回っている頃のピーター・オトゥールが今作では打って変わってプレイボーイに扮し、コメディの才能を発揮。My little red bookを背景に踊り狂うシーンは60年代のエキセントリックな若者たちのエネルギーに溢れていて素敵。でもオトゥールがテンション高まりすぎて服を脱ぐのだけはようわからん。とにかくこのオトゥール演じるマイケルが光の加減でイケメンに見える、なんてでまかせをと言いたくなる程の美貌の持ち主。ゆく先々で女性にモテるので本人も重度の浮気性。そのくせ彼女が外泊したと知るや否や、大声を上げて職場に乗り込んでくる自己中男である。1人残らず頭のおかしい登場人物たちの繰り広げるラブストーリーはもはやドリフ状態だけど、オシャレなセリフと演出とオトゥールの美しさで乗り越えられる。何となく、オトゥールが自身の美貌を武器に二枚目役をやる作品は少ない気がして、これ以外だとおしゃれ泥棒しか思い浮かばない。からこそ、オトゥールファンは見て損ない。これとおしゃれ泥棒とロレンスと将軍たちの夜をとりあえず見ればあなたもファンになること間違いないだろう()
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