湯っ子

ふしぎの国のアリスの湯っ子のレビュー・感想・評価

ふしぎの国のアリス(1951年製作の映画)
4.0
「不思議の国のアリス」に子供の頃の私が感じたのは、「いやな感じ、楽しくない感じ、気持ち悪い感じ」を足して指先でほんの少しすくった感じ、だったのだと思う。もちろんそれを言葉にして意識したのは今が初めてかも。心を惹かれるのは間違いないのだけど、アリスの物語を思い浮かべると、なにかぼんやりとしたストレスが蘇ってくる。でも、嫌いかと聞かれたらそんなことはなくて、いつまでも心惹かれるお話ではあるし、ジョン・テニエルの挿絵もすごく好き。
今回、アニメのアリスを初めてちゃんと観たのだけど、これがまた素晴らしい。これだけCGが進化してる今観ても全く色褪せない映像世界。
うさぎ穴に落ちていくアリスのふわふわ感からもう夢の中に吸い込まれちゃう。完全にイッちゃってるキャラクターたちにクラクラ。トランプの兵隊の行進は目が回りそうなのになぜか気持ちいい。「ピーター・パン」は、意味を考えまいと思っていても考えてしまうのと反対で、意味とか暗喩とかを考える余地もなく夢の中にただただ迷い込んだ。とっても濃密な75分。なんか、脳みその変なところが疲れた。
湯っ子

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