幌舞さば緒

ふしぎの国のアリスの幌舞さば緒のネタバレレビュー・内容・結末

ふしぎの国のアリス(1951年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

なんとなく思い描く理想郷に近い世界を疑似体験してみたものの、あまり幸福感を味わえず寧ろ虚無感に陥り、うんざりしたから帰る…的な。〝ワクワクする不思議な出来事ばかり〟〝毎日どんちゃん騒ぎ〟ってのもそれはそれで精神的に疲れるだろうし、実際のところ現実的ではないので、地に足がついた生活を繰り返していく中で、たまにワクワクする出来事が起きたり、たまにパーティーでもして、たまに盛り上がるってのが健康的なんだと思う。夢の中での体験(社会科見学、校外授業みたいな)で成長するアリス、強者。そして、ノイローゼのようなものを完全克服した経験がある人ならば納得いくであろうメッセージ性のある上質な夢オチ。…なんて色々と御託を並べたものの、全体的にデザインやアニメーションがすこぶる良くて、いつ観ても不思議で面白く、学びがあり、笑えて楽しい1951年産アニメ映画。


台詞メモ

「アリス、これは歴史のお勉強よ」「ごめんなさい、絵のない本はつまらないわ」「困った子。絵がなくてもいい本は沢山あるわ」「大人の本はね。でも私の国の本は絵でいっぱいだよ」「あなたの国?おかしな子」「おかしい?ダイナ、私の国はおかしなことばかり。何でもあべこべよ。ない物があって、あるはずの物がないの。わかる?ネコはニャーと鳴かずに〝ミス・アリス〟と言うわ。お前もそうよ、動物も人間の言葉を話すの。私の国では…ネコもウサギも素敵な家に住む。靴と帽子とズボンでおめかしするの。それが私の国。お花にも不思議な力がある。私に話しかけるわ。寂しい時は慰めてくれるの。小鳥たちも陽気にさえずり幸せを運んでくれる。それが私の国よ。耳を澄ますとほら聞こえる、小川のせせらぎが歌う声、ずっといつまでも続いてほしい。それは夢の世界、私の不思議の国」

「大忙しでてんてこ舞いだ。バイバイ、遅刻だよ」「あんなに急いでパーティーかしら?」

「こんな所でパーティー?これじゃまるで…モグリね。だってパーティーに招待されてないもの。好奇心はトラブルの元ね」

「グッバイダイナ、グッバーアーイ」

「テーブルにビンが。どうすればいいか説明書に書いてある」「〝私をお飲み〟怪しいわ。もし毒だったら?飲む前に注意しなくちゃ」「何?」「ただの独り言よ。いいわ。この味はチェリーパイ、カスタード…パイナップル、七面鳥?」

「おかしくないわ。ここから出られない」「泣いても仕方ないよ」「そうね、でも涙が止まらないの」「止まって。泣くな。まずいよ。溺れちまう」

「あんなに泣かなければよかった」

「いつまでもグルグル回れ。みんな陽気にスキップ。明日始めて昨日終わる。いつまでもグルグル回れ。初めと終わりがピッタンコ。前と後ろ、中と外追いかけろ。和になって体を乾かせ。それじゃ乾かないよ?」「服が?」「みんなと走り回れ」「でも…」「その調子、すぐに乾くよ」「堂々めぐりだわ」「バカな、わしは乾いてる」「でも…」「さあ元気よく走れ」

「サバを蹴飛ばすな」

セイウチと大工さん別名〝好奇心の強いカキ〟

パンとバターフライ

「花は話せないはずよ」「ちゃんと話せるわ」「相手次第よ」

「どこの花園から?」「違うの」「野生のお花?」「それも違うわ」「あなたの属名を教えて」「分類するとヒト属で名前はアリスよ」「アリスというお花?」「変わった花ね」「奇妙な花びら。色も変よ」「香りもなし」「ひどい茎ね」「珍種かしら」「かわいい」「お黙り」「花じゃないわ」「やっぱり。例の厚かましい奴よ」「そんな!」「奴って?」「雑草のことよ」「違うわ」「しらじらしい」「信じられる?」「敵よ」「種をまかないで」「出ていって」「やめて」「邪魔よ」「行って」「覚えてらっしゃい、体を大きくして摘み取ってやるわ。何さ。意地悪な花ね。礼儀知らずだわ」

A E I O U〜 U E I A〜

「あんた誰だい?」「よく分からないの。何度も大きさが変わって」「というと?説明して」「うまく言えないわ。私は私じゃないの」「わからんね」「自分でもチンプンカンプンよ」「君にも?何者だね?」

「すべて変だわ」

「卵を産んだのはヘビのためじゃないわ」

「そのウサギもどうかしてる」「変わった人たちは嫌い」「贅沢言うな。みんなどうかしてるんだ。おわかり?俺だって結構変わってるぜ」

「誕生日じゃない日、何でもない日。僕と君が生まれなかった日。僕が生まれなかった日、万歳。君が生まれなかった日、おめでとう。お茶を飲んで祝う。君が生まれなかった日、おめでとう♪」

「そもそも誕生日は1日限り」「1年に一度だ」「誕生日じゃない日は364日もある」「1年中お祭りだ」「私の生まれない日よ」「今日が?」「世間は狭い」「それじゃ…おめでとう」「私に?」「君に」「万歳」「私に?」「そうさ、ロウソクを消せば願いが叶う」「誕生日じゃない日おめでとう」「キラキラ光るコウモリさん、そこで何してるの?お盆のようにお空を飛んでるの」「かわいい」

「やれやれ、とんだドタバタ騒ぎだ」「君のせいだ」「つい…」「よく考えて話せ」

「バターを塗れば直る。バター!これだ、よかった」「よせ、パンくずが入る」「高級バターだ。心配いらん」「お茶も?」「忘れてた。お茶だ」「よせ」「砂糖2杯だ。ありがとう」「気をつけろ」「ジャム」「すっかり忘れてた」「カラシ」「さよう。カラシ?バカ言うな。レモン汁だ。直るぞ。見ろ」「壊れた」「大変」「変になった。最後の手段だ」

「あきれた。めちゃくちゃでバカげたお茶会だわ。バカ騒ぎはもういやよ。おうちに帰るわ。ウサギはもう結構。こりごりよ」

タルジーの森

「変なの。この話を本に書くわ。もし家に帰れたら」

「変な生き物ばかり」

〝モメラスを踏まないように〟

「道に迷った時は助けが来るまでじっと待てと教わったわ。でも誰が来るの?無理ね。忠告を聞けばよかった。私の悪いくせね、わかってるのに。言いつけを聞かずに問題を起こしていつも後悔するの。すぐ夢中になる私。何でも知りたがる。冒険が大好き。だからいつもトラブルばかり。わがままなせいだわ。考えずに飛びつくのよ。今さら後悔しても遅いわ。いつになればお利口になれるの?むちゃなおてんば娘。こんな私でもいい子になりたい」

「いえ、ウサギはもういいの。帰りたい。道がなくて」「君の道はないよ。みんな女王様の道だ」

「バラを赤く塗ろう。せっせとペンキを塗ろう。赤く塗ろうバラの花を。バラを赤く塗ろう。急げ、しぼむぞ、花の命は短い。急いで赤く塗ろう。バラを赤く塗ろう」「なぜ白いバラを赤く塗るの?」「間違って白いバラを植えたからさ。それに、女王様は赤がお好き。白を植えたら首が飛ぶ」「怖い」「処刑はいやだ。赤く塗ろう」

「女王陛下、女王なんてお笑いよ。あなたは太りすぎのわがままな暴君よ」

「女王が!外に出して」「もう出てるよ。見てごらん」「私だわ、眠ってる」「逃がすな」「アリス、起きて」
幌舞さば緒

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