りゅう

ひかりごけのりゅうのレビュー・感想・評価

ひかりごけ(1992年製作の映画)
3.5

田中邦衛が良いキャラ。
ずっととぼけたような態度である。
皆、腹が減ってる状況でアイヌのアザラシ料理を臨場感たっぷりに語る。
実生活では苛つくが、過酷な状況ではいると助かるかも。

ゴスケ。最初の死者。
「誰か最初に死ぬんだ!言ってみろ!」とパニック状態。死ぬのが嫌なのは「お前らに食われるのが嫌だから」と、ド直球。
最期は「俺も浜(小屋)に連れてってくれ」
洞窟に取り残され、一人で死ぬ恐怖。

浜小屋へ行く=体力がある、という極限状況でのルール、構造のようなものなものが恐ろしい。

ゴスケの死体を取り囲むように地面から生えたツララが映えるのが不気味。
「もののけ姫」のこだまのようである。
ツララが死者を考えてるようにも、単に見ているようにも思える。

西川と船長のやり取り。
西川「俺が死んでも、船長には食われたくねえ」
船長「どうして、そんな意地悪なこと言うんだ?」
西川は必死なのに、船長はどこかでのんびりした口調。極限状態とは思えない不気味さをカンジタ。

裁判。
船長の「私に食べられた人に裁かれたい」というのは、素直で切実な願いである。

◯光の輪
人肉を食べると、首の後ろに光の輪ができる。
食べられる側の人から見えるもの。
生き残ることに対する「自然界としての清さ」の象徴のようなもの?

裁判のシーンでは、裁判官たちの後ろにも光の輪が出た?

◯洞窟
洞窟は世間の縮図であり、
見方によってはどのような場所でも洞窟になり得るということである。
りゅう

りゅう