パン

ひかりごけのパンのレビュー・感想・評価

ひかりごけ(1992年製作の映画)
3.4
戦時中に起きたひかりごけ事件を題材にした映画。
俺の好きなATGの地の群れで監督を務めた熊井啓監督作品だ。

キャストも豪華だし内容的にも非常に興味深い作品になっている。
それだけに色々と惜しい作品。
内容的には地味なシーンが多い。
あとやたらと強調してくる謎のエフェクトw

こういう極限状態って本当に恐ろしいな。
自分の人生には多分なさそうなシチュエーションだが…
まあ人生何があるかわからんけどね。 

この手の作品で思うのは俳優陣がもっとやせ細ってないと説得力ないよな。 
でもそこまで出来る役者って本当に少ないと思う。

方言のせいもあって会話が聞き取りにくい。  
だが最大の見せ場である法廷シーンは結構見応えあった。   

食べる物あった検事が人の肉食うしかなかった被告を裁くってなんだかなあ… 
誰も好きで人の肉を食ってるわけじゃないのにね。

レイテ島とか日本軍兵士内でもカニバリズムがあったからな。
ゆきゆきて神軍とかドキュメンタリー映画で元日本兵が証言してるけど。   

あとこの船長って実際はかなり反省してる思慮深い人物なんだよね。 
しかも懲役1年に対して「軽すぎる」と言ってるしこの映画のように反抗的じゃない。
89年12月まで生きてた。 

しかしこの作品はあの事件を、そして船長の人物像をあまりに反体制的に曲解しすぎているように思えてならない。
反体制も結構だが、別に天皇や国家に反抗してない人までそういう人物にわざわざ仕立て上げるのはちょっと賛同出来ないな俺は。
ほとんど捏造じゃんって言いたくなってしまう。

本当にそういう映画作りたいなら最初からオリジナルで物語考えて欲しい。
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