YasujiOshiba

デモンズ’95のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

デモンズ’95(1994年製作の映画)
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E君のBD。面白かった。原作は漫画家でもあるティツィアーノ・スクラーヴィの小説『Dellamorte Dellamore』(死について、愛について)なのね。そっちもなかなか興味深そうなんだけど、その映画化のこの作品もなかなかの出来。いい感じでホラーとブラックコメディーの境界線を綱渡り。ベルルスコーニが到来する時代を反映していると言われたら、なるほどそうかもしれないと首肯しちゃうな。

とはいえ、イタリア版のウィキペディアによれば、映画はヒットせず。ソアーヴィはテレビの世界に活躍の場を移す。2006年の『Arrivederci amore, ciao』と『Il sangue dei vinti』 (2008)で映画に戻ってきたというのだけれど、後者はレジスタンスをまさに内線として描く話だという内容が気になって、DVDを買っておいてある。主演もミケーレ・プラチドだから、きっと骨太な作品のはず。

いずれにせよ、この映画でソアーヴィはホラーを離れることになる。実際この作品は、ゾンビとかホラー、あるいはスプラッターに暇乞いをを告げて、青春の終わりを描くようなところがある。ソアーヴィはこれで大人になるというわけなのかもしれない。

ところでひとつ気になることがある。せっかくの豪華BDで、特典二本のドキュメンタリーも面白く、そっちはイタリア語で字幕の解説がわかりやすい(小さな誤訳はご愛嬌)。ところが本編でイタリア語が選択できない。監督の解説はイタリア語なのに、スペースの関係で省略しちゃったんだろうか。確認したいことがあるのに、これはちょっと困る。いくらルパート・エフェレットが主役とはいえ、イタリア語のセリフが聞けないのは、ちょっとないよね。
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