【2014/3/12:早稲田松竹】
人の死、感情の死。死によってトレースされる生。死への興味に始まって死へと帰結する、ひと夏の淡いお話。
蝶のCG(さすがに時代を感じる！)や病院のファンタジックさと、老朽化するあの家を淡々と映すドキュメンタリック視点の対比。ハンディカムの子が持つ外側の視点を入れ込むことで独りよがりな「イイ話」にしない設計。どこまでが原作なのかわからないけど、不必要にセンチメンタリズムに頼らないバランスが素晴らしい。また、橋や川を隔てた構図で視覚的に子どもと老人の関係性及びその変化を捉える映画的な演出も効いてる。
子どもらの巧くない朴訥演技や矢崎滋の実在感(いるよねああいうヤツ)、三國サンはもちろんだけど、やはり相米慎二が撮る女性は美しい。戸田菜穂はキラキラしてるし、淡島千景はあのセリフだけで主役級。
相米の中では比較的フツーと思ってて再見の機会がなかったが、久々観たら動物の使い方やプールのシーンがすごく井口奈己っぽかった。いや逆なんだけど。
あと、カワベくんの服装が超イマドキな原宿とかにいそうな感じで、時代一回転を実感。男児の半ズボン裾からのハミパンも見逃せません！
