くりふ

ビートルジュースのくりふのレビュー・感想・評価

ビートルジュース(1988年製作の映画)
3.0
【ティム・バートンの霊界ダメだこりゃ】

U-NEXTにて。公開時はもっと面白かった記憶があるが、さすがにもう賞味期限キレかな。

『バットマン』へと離陸するティム・バートンの出世作だが、彼は特異なゴス感覚を持っていても、退屈な物語は退屈なまんま撮っちゃう監督なんだなー…と本作の時点で明らかだったのかと。

主人公夫婦のいいひと感はいいとして、悪役がいけ好かないヤツでも、強敵ではないんだよね。だからゴースト夫婦の脅かし修行が盛り上がらないし、満を持して登場した筈のマイケル・キートンが、大して活躍しないまま退場してしまう。なんか、出オチの串団子みたいな展開でした。

物語の幹をみていくと、ドリフのコントみたいなんだよね。

ウィノナ・ライダーの、当時は新鮮だったゴス少女も、あまり活躍しないね。だからオチでも、浮いて踊るくらいしかご褒美がもらえない。ただ、この少女像はずっと、心に刻まれていた。たぶんバートンの心情に一番近い人物で、それが表象にも素直に出たものだと感じます。

本作は、3年後に公開された『アダムス・ファミリー』と妙に、印象が被るんですよね。

キャサリン・オハラが演じた母親役は元々、その後アダムス母となるアンジェリカ・ヒューストンが候補だったそうだし、アダムス娘のゴス少女ウェンズデーは、ウィノナ・ライダーとキャラがプチ被っています。

面白いのは、ビートル続編がようやく公開となるようですが、新たな娘役が、ドラマ版新ウェンズデーを演じたジェナ・オルテガなんですね!嵌っていると思いますが、やはり世界観が被っているのでしょう。

ところでハリー・ベラフォンテの『バナナ・ボート』が、やっぱり出オチ的に流れますが、公開当時に、所ジョージが字幕監修した版が相変わらず使われているようで、“胃と手胃と手胃と手ぇ〜”と出てきたもんで、萎えました。😓

<2024.3.17記>
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