和田島イサキ

マリー・アントワネットの和田島イサキのレビュー・感想・評価

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
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 楽しかった〜!
 なんというか、本当に『見る』映画という趣の作品でした。物語を咀嚼するよりも、先に絵のパワーを目一杯浴びる感じ。

 史実ベースの宿命というか、ドラマ部分はどうしても食い足りない感じがなくもなく。
 最後の方はどうしても悲惨、というのもあるにせよ、序盤に比べて中盤以降は物語がフワッとしている印象。
 まあ頭の中に名作漫画『ベルサイユのばら』があるせいだと思います……登場人物が同じだからどうしても……。

 でもそのぶん画面のパワーがすごい!
 18世紀のフランス貴族社会のお話で、服飾も建築も絢爛な歴史ものを貫いているのに、跳ねるような軽やかな手触りがある。
 音楽と演出の力でもあるけど、単純にやってることが青春物語っぽいのもあるかも。

 マリーアントワネットさんが大変素敵でした。
 個人的にはルイ16世が魅力的だったのが好き。問題もあるけど、なんかいいやつ感がすごくてよかった。