Nana

マリー・アントワネットのNanaのレビュー・感想・評価

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
3.6
ソフィア・コッポラ監督、マリーアントワネットの半生を、歴史的な観点ではなく一人の若い女性の成長として描いたドラマ。
公開当時、華やかなファッションが話題となり女性向けのイベントとかキャンペーンとか展開していたので、もっとチャラい作品かと思っていたのですが、エモーショナルなシーンと映像と現代風の音楽のコラボが美しい映画でした。

キルスティンダンストは多分この頃、最もキレイだったのかな。次々と登場するドレス姿がとにかく可愛くて。
オーストリアからやってきた悩み多きティーンの時代から、パリピになったキラキラ時代、母となって素朴なドレスとなり、フェルゼンと出会って女性としての喜びに目覚めるなど、くるくると変わる表情もチャーミング。
女の子なら憧れちゃうようなドレスばかりでした。
ピンクにカラーしたブロンドも可愛かったな。
ロスト・イン・トランスレーションのスカヨハを思わせるような、満たされない気持ちからの夜の街で弾けるシーンが面白かった。ベルばらの印象から、もっとフェルゼンとのシーンがほしかったような。
満たされない毎日からパリピになっちゃうところは、現代のインスタグラマーとかインフルエンサーを連想させました。

夫のルイ16世を演じたのは、タリア・シャイアの息子ジェイソン・シュワルツマン。ソフィアコッポラにとっては、おばさんの息子=いとこなので、コッポラ家らしいキャスティングだけど、趣味が錠前という地味な王を印象的に演じていました。
他の作品みたいに夫婦仲がイマイチではなくて、若い2人で支え合っているのが好感が持てました。

オープニングタイトルでマリアンヌ・フェイスフルが出てきたので「おお、ミック・ジャガーの恋人だった美人」と思ってワクワクしていましたが、もうおばあちゃんになって(ミックも爺なんだから当然なんだけど)マリアテレジア役でした。
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