舞帝

マリー・アントワネットの舞帝のレビュー・感想・評価

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
3.7
オープニングシークエンスからスタイリッシュで「これから本当に宮廷伝記物語が始まるのか?」と思ったが、存外最後まで違和感なく駆け抜けられた。
前半は若きマリーの青春物語として、中盤は王子出産というプレッシャーと苦悩、後半は情勢の変化そして終焉と、映画作りはオーソドックスかつ丁寧。
人間性もバランス感覚をもって描かれていて、同情するところもあれば、眉をひそめたくなるところもあり、中立に描いていたと思う。
ステレオタイプな「マリー・アントワネット」像しか知らない層が見ると新鮮さをもって見られると思う。

...とはいえ彼女らの華やかな生活の影では無辜の民の犠牲があったことも決して忘れてはならない。
またヴァレンヌ事件の顛末を思うとフェルセンの扱いもなんだかなぁ~と思ったり。

総じてこの時代を描いた映画の中でも個性ある仕上がりになっている。
直前に「バリー夫人」を見たこともあって、その対比として見ても面白かった。
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