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マリー・アントワネットのツクヨミのレビュー・感想・評価

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
3.7
世継ぎを残さねばならないという重圧に対し振り切った人生を謳歌したマリーアントワネット。
ソフィア・コッポラ監督作品。監督最新作公開とのことで予習がてら見てみた。
まず本作はマリーアントワネットの伝記映画という括りであるがそこはソフィアコッポラ、宮廷ものにしては異色なロック音楽の使用やポップすぎる小道具や配色が際立っていて流石だった。
ストーリーとしてはマリーアントワネットがオーストリアからフランスに嫁ぎフランス革命で王宮から追放されるまでの数年間を描いた物語、王妃になるためにがんじがらめにされストレスマッハなはずなのに笑顔を絶やさないキルスティンダンスト。だがしかしルーティンワークな生活に対して退屈という感情が勝っていく展開が良く、中盤で自分らしく生きればいいと気づく開放感の描き方がめちゃくちゃソフィアコッポラっぽくて素晴らしかった。アップテンポなロックナンバー.小道具にフォーカスしまくりでポップな映像がめちゃくちゃ眼福.全てを解放し遊びまくるキルスティンダンストが"ヴァージンスーサイズ"と重なる、やっぱソフィアコッポラってめちゃくちゃはしゃいでる女の子を見せたい人なんだなと感じる。
なので史劇としてフランス革命などのけっこう暗い要素はかなり控えめ、あくまでもポップで可愛く美しいものを映すのみ。そこらへんはソフィアコッポラなりの美学が先行しててめちゃくちゃ好き、実はけっこう映像派で眼福な映画体験になったな。
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