森の音色が変わり、重く湿度を感じる、密度のある森に変わった瞬間「あ、日本の森だ。」と直感が働いた。フランスと日本にフォーカスされているのだからフランスの森でなかったら日本の森以外ありえないというのは当然なのかもしれないがあの見せ方をされたら鳥肌ものである。まさにリアリティを追及した映像の中に発生する僅かな幻要素であるゆえに見る側が敏感に反応出来るのだろう。現実と地続きのような映画には典型的な展開がない分、自身の想像の範囲外の世界を見ている気分になる。フィクション世界というよりは他人目線の世界と表現する方が近いかもしれない。また、映画に組み込まれた世界があまりにも自然であるから余計に世界がだれかのものではないのと同様に本作品が“誰か一人の作品”として捉えることが出来ない。
すごくすごく気に入った作品。めっちゃ好き。