ニュージーランド2週間の旅で、最後の街ワナカを歩いてる時に通りがかった小さな映画館「シネマパラダイス」。
もはや看板はあの有名な映画と完全に一致していた。
翌日はスカイダイブを午前中に終わらせて昼にはクライストチャーチ方面に発つ予定だったが、ずっと動き続けた旅の締めくくりには悪くない。受付で上映スケジュールを確認する。
一日の上映映画は少なかった。その中で1番ジャケットが気になった16時過ぎの映画を予約し、その日は町の外れにあるキャンプ場に車で戻る。
翌日の夕方、受付で支払いを済ませた。目の前にあった予約者ノートには1人の名前しか書かれていない。
そういえばここの映画館には休憩時間なるものがあるらしい。その時間に小腹を満たせるものを買いにこようなどと考えながらホットコーヒーを片手に、3番スクリーンに向かう。通路には数々の映画のジャケットが貼られていた。
スクリーンに入ると席は30席ほど、前の方にはソファがおいてある。
客は40代くらいの男と自分だけだった。しばらくして映画が始まった。アメリカのロックバンドのライブ映像、ひたすらリズムを刻み続ける。表情からダンスまで、全ては感覚のままに動いている、そんな感じだった。
「Stop Making Sense」
山、湖、小さな町。映画館、コーヒー、音楽。
