故ラチェットスタンク

ストップ・メイキング・センスの故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

4.7
レストア版をIMAXで2回鑑賞。なるほど非常に映画的だ。ファーストショットの照明・構図の作り方から痺れる。足元の動きが終われ、目線が上がるとデヴィッド・バーンの体がデカデカと画面を埋める。この一連の動きがキャラクターの紹介となる。一曲目の『Psycho Killer』のふきさらしで雑然とした舞台。客席にテープとアコギで太刀打ちする姿に震える。『Heaven』の閉じたロマンチックさ。『Thank you for sending me an angel』から『Life During Wartime』にかけてメンバーが揃い、『Making Flippy Floppy』でいつの間にか整備されたセットが完成している。みたいなこの辺の流暢さったらないが、要所でインサートされる陰影のついたショットの連続も見事であるし、バーンのスタンドマイク、クネクネダンス、照明遊びなどパフォーマンスもいちいちキマッている。影絵のようなセットの仕様も最高。『I Zimbra』はどうやらカットされたようで『NWH』フリークとしては中々悲しかったが大いに大満足。豪華な体験だった。