さく

御法度のさくのレビュー・感想・評価

御法度(1999年製作の映画)
4.0
大島渚監督作品は、学生の頃エロ目的でみた『愛のコリーダ』以来2作目。男色版『愛のコリーダ』もとい『御法度』です。もう終始、酒池肉林、御法度だらけです。淀川長治賞受賞なのも納得です(謎)

松田龍平出演の映画は何本か見てますが、まさかこういう使い方があったとは! と言っても、若かりし頃の色艶あってこそだとは思いますが、こういう形で役者の魅力を惹き出してしまう大島監督の凄さよ。井上さん(坂上二郎)じゃないが、私も「その気は無いけど、ちょっと気持ちがわかる」感じがしてちょっとときめいてしまいましたよ。デビュー作ということもあってかたどたどしい演技もかえって良い効果を生んですらいます。

後、こちらも映画初出演だったらしい神田うのがちょい役であるけれど素晴らしい。しゃべらなければ美しい! セリフもなくものの数秒で異様な存在感を示した藤原組長もいい仕事。他、土方歳三役のたけし、沖田総司役の若かりし武田真司と全体的に演技が「下手くそ(下手ウマ)」なので、山崎烝(トミーズ雅)の演技が妙にうまく見えてしまう。

全編通して唯一無二の「変な映画」なのだけれど、坂本龍一の音楽も異様に主張が激しくどう考えても「変」で印象的。一応司馬遼太郎原作となっているがいいのか? これでいいのか? Wikipediaに使われている「カンヌ映画さんに出席した松田龍平」(写真)のTシャツもこれでいいのか?
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